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【学生のみなさんへ】生成AIの利活用について


 技術革新は時代とともに加速度的に進化を続け、現代社会においては、まさに日進月歩以上の様相を呈しています。
生成AIの社会への影響も、想像を絶する変化の一つと言えます。なぜならば、生成AIは、単なる情報の検索エンジンではなく、文章作成機能や人間との対話機能など、人間の知的能力に大きく迫るものであり、私たちに人間の知性とは何かという問いを、改めて投げかけるものとなっているからです。
 大学においては、生成AIのような発展途上にある最新技術は、適切に使用すれば学生の学びを充実・発展する素晴らしい道具となりえますが、使い方を誤れば、学生の学びの意欲を妨げ、思考力や創造力を低下させ、個人情報・機密情報の漏洩や、学問倫理の毀損にもつながりかねない諸刃の剣となります。こうした状況において、大学として生成AIをどのように活用していくべきか、基本的な指針「ガイドライン」を示していくことが必要と考えます。
 現段階では、生成AIには様々な問題が潜んでいることを念頭に置いて適切に対応していかなければなりませんが、これから先の時代においては、生成AIはさらに進化・発展し、学生にとっても、また卒業後の社会人になっても、なくてはならない便利な知的武器となるはずです。それ故、学生の皆さんは生成AIの使用を避けるのではなく、その長所・短所を十分理解した上で、適切に活用する姿勢が求められます。
 一方、教員に対しては、公平性に配慮した課題の作成や慎重な評価が必要であり、場合によっては、授業の中で予め生成AI使用の具体的ルールを定める必要もあるかもしれません。そこでは、単に「~について述べよ」というような課題は避け、より工夫した複合的な課題を出すことを心掛けて頂きたいと思います。どうかよろしくご協力のほど、お願いいたします。

令和5年10月3日     
学長  金田一 真澄

「長野県立大学の学修・教育における生成AI活用に関するガイドライン」(学生のみなさんへ)

◆生成AI活用の基本方針
 生成AI(ChatGPT等)は、適切な使用により新たな知識習得や考え方、批判的思考等の向上に有用なツールになると考えており、将来的には生成AIを使いこなす知力と技術を有することが当たり前の時代がやってくるとも考えています。
 しかしながら、生成AIは数多くの問題点や情報管理におけるリスクを有していることも事実であり、学生の皆さんはこの点においての理解も必要です。
 本学における生成AIの活用については、生成AIを利活用するリテラシーを学生の皆さんそれぞれが身につけ、上手に使いこなすことを奨励します。生成AIの使い方や活用方法には注意すべき点が多々あることを十分に認識し、学修・教育活動においては教職員の指示に従い、各々が責任を持って活用することを求めます。

 以下に、「長野県立大学の学修・教育における生成AI活用に関するガイドライン」を制定いたしました。利用においては下記事項を厳守してください。

1. 授業やゼミナールにおける課題やレポート、卒業論文等を含むあらゆる提出物、定期試験は、学生自身が考えて作成・回答することが前提となっています。
生成AIによる生成物(出力)をそのまま利用した場合、剽窃※1とみなされる可能性があります。そのような場合は、不適切な利用とみなし、場合によっては「長野県立大学履修規程」第17条に抵触する不正行為として対処(懲戒等)することがあるので、十分に注意してください。
※1 剽窃(ひょうせつ)とは、他人の著作物やアイデアを自分のものとして提示し、その出典や引用を明示しない行為のことです。

2. 授業やゼミナール内での演習や事前・事後学習(課題等)への取り組みにおける生成AIの利用の可否や利用方法、利用範囲については、担当教員の指示(初回授業等での指示やシラバスの記載)に従ってください。指示された方法・範囲を超えた生成AIの利用が確認された場合は、担当教員の判断により、その課題等の提出物を無効とし、厳格に対処するので十分に注意してください。

3. プロンプト(命令・質問)入力時は、以下の点に注意してください。個人情報や機密情報が意図せずにせよ、流出・漏洩した場合は、社会的・法的な責任が問われる可能性があります。
 ●個人情報等の秘匿すべきもの(自分または他人のプライバシー情報、未発表の研究データや論文等)や、学内の機密情報、公開されるべきではない情報を入力していないか
 ●第三者の権利を害する恐れがあり、注意が必要なものを入力していないか
  ①秘密保持義務を課された機密情報
  ②第三者が著作権を有しているデータ(文章、写真、イラスト等)
  ③第三者が作成した登録商標・意匠(ロゴマークやデザイン)
  ④著名人の顔写真や氏名 等

4. 生成AIによる生成物(出力)の利用時は、以下の点に注意してください。上記3と同様に社会的・法的な責任を問われる場合があります。
 ●内容に虚偽が含まれていないか
 ●利用によって誰かの既存の権利を侵害していないか
  ①著作権侵害
  ②商標権・意匠権侵害
  ③虚偽の個人情報・名誉毀損 等

*なお、AIツールは常に進化しており、ここに示した「ガイドライン」も、いずれ更新される可能性があります。今後も情報収集を行い、適切な利活用について、継続して検討していきますので、最新のガイドラインを確認するよう留意してください。